桜の年間管理表

これまで桜の育て方や増やし方を何度か紹介してきた。
作業は桜の生育サイクルに合わせて行うので、内容によっては特定の時期にしか出来なかったり、時期によってはまったく意味が無かったり、むしろ逆効果となってしまったりする。
そのため作業を行う前に計画を立て、準備しておくことが望ましい。
そこでこれから始まる一年間に備えるために、作業の目安となる時期をまとめた年間の管理表を作ってみた。
時期は関東以西を基準としたものなので、地方ごとの季節の進み具合により前後する。

桜の育て方

月ごとの作業

 

1月

多くの桜は葉を落とし休眠した状態にあるため、剪定の適期。
下旬以降には春の萌芽・開花に向けて緩効性の肥料を寒肥として施す。

 

2月

挿し木接ぎ木を行う場合は節分の頃に枝を採取し、地面に埋めるかビニールに入れて冷蔵庫で保存しておく。
寒肥をやっていない場合は上旬ごろまでに施しておく。剪定も上旬ごろまでは行える。
苗木の植え付け・植え替えの適期。

 

3月

中旬ごろまでは植え付け・植え替えの適期となる。
上旬から中旬にかけては挿し木(春挿し)の適期。
中旬から下旬にかけては接ぎ木(切り接ぎ)の適期。

 

4月

花の終わった株にはお礼肥を与える。
害虫も増えだすので樹をよく観察し、早期発見・駆除に努める。

 

5月

新梢の成長が一段落した枝は挿し木(緑枝挿し)が可能になる。
下旬ごろには実が熟し始める。接ぎ木用の台木や趣味で実生苗を育てたい場合は採取し、果肉を洗い落としてビニールにパックし冷蔵庫に保管しておく。

 

6月

枝葉の伸長が一段落し、充実期に入ってゆく。
梅雨の間は挿し木(緑枝挿し)の最適期となる。

 

7月

特に作業のない月。
花芽が形成される(花芽分化)時期なので枝葉を傷つけないように注意する。
鉢植えは乾燥や葉焼けを避けるため、強い西日を避けられる位置に移動する。

 

8月

接ぎ木(芽接ぎ)の適期。
秋は幹が肥大する季節なので、それに備えて中旬以降に追肥を行う。

 

9月

接ぎ木(芽接ぎ)と追肥の適期は上旬まで。
暑さがやわらいで来たら鉢植えを日向に戻す。

 

10月

活動が少しずつ緩慢になっていく時期なので、これといった作業はない。

 

11月

紅葉し、落葉期に入ってゆく。先月に引き続いて特に作業はない。

 

12月

完全に落葉してから半月ほどたった頃から剪定の適期。
早咲きの品種は厳冬期の前に植え付け・植え替えを行う。
紹介している種蒔きの方法では今月に種を蒔く。