桜を種から育てる 種蒔きの方法

桜の種
桜の種

桜の種蒔き 2015年編    

エドヒガンとオオシマザクラを交配させ、新種を作ろう。

そう思い立ったのはすでに花の終わった後だった。

そこでその年はひとまず自然にできた種を育ててみることにした。

桜の花は自家不和合性と言って、花と異なる遺伝子を持つ花粉でないと実を結ばないので、実から育てた実生苗はすべて新種になる可能性がある。

つまり人間と同じように親と違う遺伝子を持って生まれてくるので、園芸品種などを増やす際はクローン増殖となる接ぎ木挿し木で増やすのが基本だ。

そのためか、桜の育て方の本などを見ても種から育てる方法は詳しく書いてなかった。

せいぜい接ぎ木の台木として種の保管方と蒔き方くらいである。

それならばとインターネットで調べてみれば、何例か紹介を見つけるも千差万別。これといった正攻法は見つからなかった。

そこで、見つかったいくつかの育て方と発芽の条件を照らし合わせ、自分なりのやり方を模索した。

結果。その年は30個の種を蒔き、発芽したものは17個。根付いたものは14個となった。

その年の手順が下記のものである。

 

2015年の種蒔きの手順

1 種の採取

我が家の桜の果実は五月から六月にかけて熟すので、黒く柔らかくなったものを枝から直接採取する。十分に熟していれば問題はない。

シダレザクラの実はあまり美味しくないらしく、鳥もあまり食べないが、あまり残しておくのも不安なのでこまめに採取する。

 

2 種の洗浄

枝から採った実はまず洗って果肉を落とす

果肉には発芽を抑制する作用があるので、よく洗い落としておく。

洗ったら一日ほど陰干しし、軽く乾燥させる。

 

3 種の保存

保存方法は庭に埋める方法もあるらしいが、自分は冷蔵庫に保管する方法をとった。

種を完全に乾燥させないようにビニール袋にパックして、冷蔵庫で冬まで保管する。

 

4 種蒔き

十二月半ばになったら冷蔵庫から取り出し、一晩水に漬ける。

その後、庭か鉢に蒔く。

最初はプランターに園芸用の培養土を使って蒔いた。

元肥となる緩効性肥料が入っているものだったが、後に肥料成分があると腐りやすくなったりカビが生えたりすると知った。次回以降は無肥料の土を使うことにする。

発芽するまで種を乾燥させたり凍らせないように注意。

 

5 管理

鉢の場合は発芽するまで日陰で管理し、発芽したら日向に移す。

本葉が4~6枚になったら鉢に移して育てる。

 

 

発芽の条件としては水、酸素、温度があり、種が水と酸素を吸収することで内部の活動が始まる。発芽の適温に近いほどその活動が活発になるらしい。

調べた中には十月ごろに蒔くという記事もあったが、自分は冬に蒔いた。

秋口はまだ暖かい日が多いので、秋の間に芽が出てしまう可能性があると思ったからだ。

このやり方でとりあえず発芽率は50%を超えたので、次回以降も今回を基準にしていこうと思う。