桜 染井吉野をペットボトルで挿し木する
挿し木とは
挿し木とは木から枝を切り取り、それを土に挿して根を出させることでクローンを作る繁殖法である。
これまで桜の挿し木での増やし方を春挿し・緑枝挿しと紹介してきたが、土や鉢や薬剤の用意など意外と面倒だと感じた人もいるのではないだろうか?
確かに桜は発根率が低く、それらはあった方が成功率は上がるのだが、決して必須というわけではない。
土にただ枝を挿しておくだけで発根する可能性も0ではないのだ。
そこで今回紹介するのは、庭の土やペットボトルを使い、桜(染井吉野)を予算をかけずいかに簡単に増やすかに挑戦した記録である。
挿し木の時期
5~7月の真夏の前なら葉の付いた枝を挿す緑枝挿しが行える。
緑枝挿しは別名『梅雨挿し』というように、最適なのは梅雨の時期。
用意したもの
桜の枝
今回の一番用意し辛いもの。しかしこれが無ければ挿し木は出来ない。
今年伸びたばかりの、勢いのいい緑色の枝を採取する。3~4ミリくらいの太さが成功しやすい。
採取したら乾かさないように水に生けておく。
500㎖のペットボトル
用意に入手可能な、ごくありふれた清涼飲料水の空き容器。
事前に用意が必要なのは上記の2点くらいで、後は家庭にあるもので可能である。
挿し木の方法
ペットボトルの用意
画像のように二つに切り分け、底の方を水受け皿に、飲み口の方を鉢代わりにした。
キャップにはキリ、コンパスの針、ドリルなどで水抜き用の穴を空ける。
土の用意
庭の土を使った。
雑草の種などが混ざるのを防ぐため、表面を少し掘って地中のものを使う。
水を入れると泥のようになるものは避け、通気性の良い砂のような土を使うようにする。
今回は画像のように砂と土とを試したが、先に書いておくと土の方は失敗に終わった。
桜の枝の用意
用意した桜の枝を10センチくらいの長さに芽の少し上で切り分け、挿し穂を作る。
先端の成長途中の黄緑色の部分は使えない。葉が緑色で成長が終わった部分を使う。
葉を挿し穂1つにつき2枚に減らし、葉を長さ3分の1ほど残し切り落とす。
(写真の赤線の部分でカットする)
根元をナイフなどで斜めにスパッと切り落とし、反対側も切って楔形にする。
加工が終わったら根元を水に浸けておく。ちなみに今回浸けた時間は20分足らずだった。
採取してから加工までを素早く済ませ、枝をなるべく乾かさないようにするのがコツである。
土に挿す
土を先に少し湿らせ、枝を挿したらもう一度水を与えて土を落ち着かせる。
その後の育て方
挿し木が終わったペットボトルは、明るい日陰や午前中だけ日が当たる半日陰に置く。
三日ほどは朝と夕方に多めに水をやり、その後は朝に一回ほど、土を乾燥させないように気を付ける。
受け皿にたまった水は腐らないように早いうちに捨てる。
成功すれば1~2カ月ほどで根が出てくる。
以上が予算をかけずに出来る限り簡単に行う挿し木の方法である。
自分は今回、北東向きの出窓に置いて室内で育てた。
行ったのが5月7日で、発根を確認したのは7月1日のことである。
あまりにもあっさりと成功してしまったが、成功率は決して高くないはずなので、時期をずらしながら何度か行うのがセオリーであることを付け加えておく。
もっと根が充実してきたら鉢に植え替えて、大きく育てていくわけだが、花が咲くのは(例外を除いて)数年後のことになる。
簡単に増やすことが出来るのは証明できたが、その後の管理には結局手間がかかるので、長く付き合う覚悟が必要である。
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