日本縦断自転車旅行記 1日目 九州上陸

一路、南へ

 

2013320

いよいよ九州へ、自転車旅行の開始である。

 

早朝。

船に揺られながらもよく眠り。かけておいたアラームを目安に起床する。

今度はいつ入る機会があるかわからないので、朝風呂と洒落込み、入念に体を洗った。

入浴後、船内のレストランで朝食。

まだ体が出来ていないので、朝はあまり食欲がなかったが、無理にでも食べなくてはとゆっくり食べる。

午前9時ごろ。九州、志布志港到着。

着いたはいいが、いきなりの大雨に見舞われる。

まあ天気のことは仕方がない。特に季節の変わり目とあっては尚更である。

車両甲板内でレインコートを着込み、雨に濡れた鉄のスロープを恐々と降りる。

なにしろ強い雨の中、滑りやすい金属の上。九州初上陸や旅の始まりの感慨などあったもんじゃない。

一先ずフェリーターミナルで雨宿りする。

フェリーターミナルより 激しい雨が打ち付ける

携帯で天気予報を確認すると、この後は次第に晴れてくるらしいので、しばし天気の回復を待つ。

待つこと一時間ほど、雨が止むのを見計らって出発。

海沿いに国道448号を南下してゆく。

1250 走っているうちに昼を回ってしまったので、ふれあいパーク内之浦にてトイレ休憩しつつ、炭酸飲料でカロリーを補給する。このころは青空が覗いていた。

 

ふれあいパーク内之浦より海を望む

130 天気雨が降る。雨宿りがてらスーパーに立ち寄り、昼食を取る。

その後もひたすらに走り続けるが、国道448号が東西に向きを変え、大隅半島を横切るように伸びる途中の峠のことである。

長い上り坂に加えて、海に近い高台。さらに春の、体がもっていかれそうな強風の中。

堪らず自転車を降り、押して坂を上っていたのだが、とうとう日が暮れ始めた。

目印が何もないような山の中である。

あるのは林道かはたまた畑か、どこかしらへと伸びている側道のような細い道くらい。

これ以上進んでも一息つける場所がある保証はない。

仕方なく峠越えを断念し、坂の途中にある道を少し入ったところに開けた場所を見つけ、そこにテントを張った。

ペグを打てない場所だったので、テントの四隅にサイドバッグを置き、寝かせた自転車にS字フックを引っ掛けて前室のフライシートを広げた。

夕食はガスバーナーで家から持ってきたスパゲッティを作る。

食べたら携帯でアラームをセットする。安否確認に家に連絡しようと思ったが、電波は圏外だった。

人気のない場所だけあって、星が綺麗だったのを覚えている。

 

こうして日本縦断自転車旅行の初日の夜は暮れていった。

 

走行時間4:43.36

走行距離62.82

平均速度13.2

最高速度46.8

積算距離62.8