日本縦断自転車旅行記 準備編~自転車

旅行用の自転車選び

旅行前まで自分は、あまり高いものではないが二台のスポーツ自転車を所有していた。

マウンテンバイクとロードバイクである。

その二台を基準に自転車旅行について考えてみた。

マウンテンバイクなら荒れた道でも走ることが出来るが、長距離を走るのはややつらい。

ただし荷物は大量に積めるし、耐久性も十分にある。

ロードバイクなら長距離を走るのは圧倒的に楽である。ただし路面が綺麗であればだ。

そして荷物はあまり積めないし、耐久性にも不安がある

加えて、どちらを選んでも旅行用に改造する必要がある。

理想的な自転車はやはり、ランドナーやツーリング車などのもともと旅行用に作られた自転車である。

そこでまず市販されている自転車で旅行用の物を調べ始めた。

 

求めた機能は、

まず荷物を積むためのキャリアが付いている。または付けられること。

フロント3、リア9以上のギア。

この二つは絶対に欲しかった。

荷物についてはバックパックを背負う方法もあるが、重量物が体についているかいないかでは疲労感が大分違ってくる。経験上、出来れば荷物はすべて自転車に積みたかった。

そしてギアについて。

荷物や車重などで全体重量が相当なものになるのは目に見えていたし、風や路面の抵抗も増える。平均走行速度は当然低くなると予想。ペダルにかかる力も大きくなる。

そうなれば必要となるギアレシオ――ギアの組み合わせの比率は全体的に低めで広い方がいい。

他に個人的な趣味で欲しかった機能は、

ドロップハンドルにデュアルコントロールレバー。

トリプルボトル。

ディスクブレーキ。

走行中に様々なポジションを握りことが出来るドロップハンドルは、長距離を走るのが大分楽になるとロードバイクの経験から実感していた。

そしてブレーキレバーとシフトレバーが一体となっているデュアルコントロールレバーはハンドルから手を離さずに変速できる。

ボトルは水分補給が欠かせない自転車にとって必須のものだが、野宿中心で行こうというこの旅においては料理などにも必要になる。多く持てるに越したことはない。

補足すると、自転車のボトルケージには大型のペットボトルを取り付けられるものもあるが、残念ながら自分はかなり小柄であるため。フレームサイズの関係から搭載は難しそうだった。

つまり質に頼れないため、量で補うしかなかったのである。

ディスクブレーキについては最早完全に趣味でしかない。

一応メリットは制動力が強いとか路面の影響を受けづらく悪天候に強いなどあるものの、全体の重量が増えるというデメリットも大きい。

あれば頼りになる装備だが、単に個人的に欲しかっただけであった。

 

残念ながら理想を完全に満たす自転車はなかった。

近いものならあったが、どうしてもそのまま使用するのは気が乗らなかった。

そこで、どうせなら一から自分の理想の旅行車を作ってしまおうと思い立ったのである。