日本縦断自転車旅行記 準備編~自作自転車について

自分は自転車旅行に出るにあたり、旅行用に新たに自転車を仕立てたわけだが、実際にやってみてわかったことがある。

わざわざ専用の自転車を用意する必要は全くないということだ。

身も蓋もないが事実である。

荷物さえ持てれば、自転車の装備の有無や性能の上下などあまり意味はない。

普通のマウンテンバイクにキャリアを付けるだけで十分だし、何なら通学用のママチャリでも構わない。

実際に旅行中に出会った人の中にはママチャリで走っている人や、電動アシスト付自転車で走っている人もいた。

ロードバイクでも太めのタイヤを付けて舗装路を選んで走ればそうそうパンクもしないだろう。

それに自分のように野宿せず、ホテルなどを利用する選択だってある。

そうすれば行動範囲が制限され、経費が大幅に増える代わりに、荷物を大幅に減らして走ることが出来るだろう。

結局のところ、体力と気力の方が重要なのである。

 

それでも自分は自作にこだわった。

自分がより重きをおいたのが気力――言い換えると、モチベーションである。

上記の通り、走り続けるモチベーションを保つというのは重要なのである。

そういう意味では「自分で組み立てた自転車で日本縦断する」というのはとても夢があることではないか。

自転車に対する愛着もひとしおだ。

自分で調整やパーツ交換などすることに抵抗がない自転車乗りなら一度は夢見るであろう、自分で一つ一つパーツを選んで作る、自分だけの自転車。

もともとプラモデルなど工作が好きだったこともあり、自分もいつかは作りたいと思っていた。

それに最初から組み上げる工程を経験し、構造を理解しておけば、故障した時などの対応もしやすくなる。

そして好きにパーツを選べる自作自転車ならば、たとえば旅行の後の使用も見据えてパーツを選ぶことも出来る。

組み立てた旅行車は現在、ホイールを700Cに取り換えてシクロクロスやグラベルロードのように使っている。